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<<<<<< 助平の痔 >>>>>>

 今年の冬の訪れは随分のんびりとやってきたようだ。

 例年であれば霜月の声を聞くや否や、助平ヘソの周囲より股にかけ、破れ障子の隙間風の如きうすら寒さを覚え、途端に落ち着かぬ思いにかられる。

 やがて無性にモモヒキ恋しくなり、納戸の行李をひっくり返すことになる。しかしながらいの一番にモモヒキ穿くは、流石に気が引けるとみえ、無理やり爺やに穿かせ、ついでといった格好で自分も穿くのである。

 未だ紅葉、銀杏の落葉忘れの木々、当り前に目に映る中。恵比寿講を明後日に控えし早暁。助平、毎度のことながら尿意の我慢の糸が切れ、しぶしぶ寝床を脱出し厠へと。一刻も早く寝床に戻りたい一心で、素早く済ませるべく、思い切り力んで放尿したのが命取り。肛門に極めて不愉快なる違和感覚えたる時は最早後の祭り。

 その後の事情説明するも、筆者としては馬鹿馬鹿しくも忌々しい。 兎にも角にも助平慌てて相談したる相手が、ブン屋の西殿。いま少し選ぶ相手を吟味すれば良いものを、と言いたくもなるが、当人の貧弱なる脳ミソでは、精一杯の選択か。

 早速駆けつけたる紹介先の診療所にて、医師と言うよりむしろ占い師の如き風体なる門太医師の診察。

医師: 如何なされましたかの?
助平: 実はそのう、吾が尻が駄々をこね、膨れっ面で困っておるのであるが。
医師: どれどれ診て進ぜる程に、先ず横になり、横向きに膝を曲げ、サルマタは脱がれよ。
助平: 昔オナゴの下穿き脱がすは、吾が趣味なるものの一つに数えられし事ではあったが、まさか吾がサルマタ脱がされる羽目になるとは、世も末なるかな。
医師: 寝言は寝てから申されよ。ささ、潔くまな板に乗られよ。
…傍らに控えし野ブタの如きズングリムックリ腕太看護士(胸が突っ張っておるところを見ると一応女性か?)に、ぐずる助平いとも無造作にサルマタ脱がされ、抗う術なぞ見出す余地も無し。
医師: おーおー、これは別段案ずる事もない、いわゆる血豆でありますな。
助平: 血豆は手指にできるもの、尻なぞにできるは無礼千万。直ちに取り去っていただきたし。
医師: 時にはかかる非礼なる処に血豆作る変わり者もおるもの。
…と言いつつ、どうやら局部の写真を撮っている様子。
医師: どうも毛が邪魔でよく撮れぬ。毛は普通前に生えるもの、後ろに生やしたとて何の取り得もござらぬ。どうも西殿は変人ばかり連れ込んで困る。
助平:下の方で何やら余の事を褒めちぎっておるように感じるが?
そろそろサルマタ穿かせてもらえぬか。この様子では、うっかりすると尻の毛まで抜かれそうでちと心細い。…門多医師、助平の言うことなぞ全く耳に入る様子も無く…
医師:さあさあ写真が撮れましたぞ。よく見られよ、これが膨れっ面の正体でありまする。正式には外痔核と云うもの也。
助平:門太殿の指が邪魔で余の肛門がよく見えぬが。一体如何なる処が膨れ面であるのか?
医師:それは指ではありませぬ、助平殿の血豆そのものに他ならず。血豆は切除致すと大層血が出る故、切らずに放っておけば自然と引っ込むもの。マ、気にはせず・酒は呑まずにオナゴにゃ触れず。この三か条を守っていただければ、やがて完治するであろうこと保証の限り也。
…助平、痛いところを衝かれ、さすがに神妙なるが、それもせいぜい三日が限度。完治なぞという言葉、彼に当て嵌めるほうがそもそも無理な話であろう。

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