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<<<<<< 左大臣助平(スケヒラ)の悩み「助平の入院 その1」 >>>>>>

  幼少の頃より「他人の悪口言うと早死にする」と、今は亡き婆様は助平に事あるごとに言い続けたものだ。しかし、どういう訳かその婆様も早死にしてしまったが、その訳を近親者は誰も語ろうとはしない。

 助平、耳に小ぶりのタコが出来るほど聞かされたせいか、他人の悪口は確かにあまり言わぬようだが、それ以外については教える方も面倒だったとみえ、助平の常識項目の中には、これといって何々べからず等の項目は見当たらないようだ。(それが彼のへそ曲がった人格を形成した礎になってしまった訳だが)他人からロクでもない奴と言われる者は、心ノ臓に毛が生えているのか、結構図太い神経を持ち合わせているようである。

 しかしながら、それも程というものを超えてしまうと、まず救いようはないとか。当然助平も、その救いようのない者の類に入れても恥ずかしくないようであるが、何故か不思議と心ノ臓に毛は生えていないようだ。
ある近親者に言わせると、彼の心臓はどうやらノミ程度であり、感覚の鈍さが図太さを補っているそうな。

 そのご当人 近頃時折、久本まさみに抱きつかれた訳でもなく、猫の尾を踏んだわけでもなく、また肥溜に片足突っ込んだ訳でもないのに、心ノ臓が勝手気ままに動きだすようであり、さすがに助平、その時ばかりは大層神妙にならざるを得ず。

 助平の古き友人の一人にシゲタケというチッポケな名の医師あり。彼は胸部外科の専門ではあるが、助平の友人と聞けば、当然まともな医師ではあるまい、と思うは極めて自然であろうか。助平、よせばよいのにこの友人に、勝手気ままに動き出す心ノ臓の相談をしたところ、

 「自分も不整脈で倒れたが、女房も医師故助かった。今じゃ相変わらず酒を飲み、色事の研究にも余念がない。依然脈はシッチャカメッチャカであるが、人はめったなことでは死に至るものではない・・・と思う。」の言葉聞いた途端、彼に相談した自分の愚かさに多少気付いたとみえる。

 結局、死にたくなければ、持つべき者は友に非ず、良き医師であるべきとの結論に遅まきながらたどり着き、兎にも角にも、先ずはかかりつけ医師の許へと助平慌てて駆けつけたようだ。

 医師の「今時、何もせずに脈拍150とは見上げたもの、全力疾走続けているも同じこと。まず注射で落として進ぜよう。」との有難き言葉に従い点滴受けたはよいが、1本打てども落ちはせず、2本打てども変わりもせず。

 この有様に医師も呆れ、「最早吾に打つ手は無し、専門病院に行くべし。物事に諦めのよい者程、頑固な心臓持つものよ。」の言葉背に、翌日しぶしぶ病院へ。

 ところが、ここで又もや点滴打たれ。1本打てども変化なし、2本打てどもこれまた変わらず。医師の「2本打てどもビクともせぬとは呆れたり。もう1本が限度故、これにてダメなら入院すべし。」の言葉通りにそのまま助平留め置かれ。

 「数日の入院加療にて、一応は健全らしき心ノ臓取り戻すは可能かと思われる。」との言葉ロクスッポ聞きもせず、しぶしぶ入院する羽目になり。足の付け根の血管より管を入れ、心ノ臓を治療する説明など当然頭に入る訳も無い。

・・・以下 次号

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