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或る日の余之助の風景

----------- 早春編 ----------
      

赤城おろしに吹きまくられ、千切れんばかりにはためき疲れ切り、やっと穏やかな陽射し受け、力使い果たしたかの如くだらりと垂れたコーヒーの旗。あたり一面驚くほどの静寂に包まれた休日の昼下がり。

初老と形容するにはチト叱られそうなご婦人3人連れ、静寂という表現は如何なる方角からも当てはまりそうにないご様子に、余之助恐る恐る「イラッシャイマシ」。

「まあ、このお店、外見は不細工だけど、中は素敵じゃないの」

余之助、ついうっかり「ハイ、お客様に合わせまして」。心の中では「シマッタ」と叫んではいたが、意に反して口は止まらず後のまつり。女性3人敵に廻して勝てる筈もなく、余之助あっけなく降参。

結局 コーヒーにおやきをサービスする羽目になり。かかる様、仲間達に見られなかったのが、せめてもの救い。

ザマミロとばかり、気を良くしたご婦人連、おしゃべりしつつ、コーヒーカップ手に取れば、何処からともなく「ホーホケキョ!」。

余之助、鶯の声に驚きつ、一句ひねらんと筆取れど、およそ風流と金とは縁無き男ゆえ、まともな句など浮かぶべくもあらず。只々天井睨むその姿、何故か不思議と中年女性の気を引くであろう。…とは、あくまで余之助のひとり言。

その様子、不安気にそっと伺う番頭さん、腕組みしつつ「…この店の将来は明るいのか、暗いのかさっぱり分らん」とつぶやけば、店の女衆「上がボケているからこの店成立っているんじゃないの」の一声に番頭さん、なんとなく納得。

あくまで平和な“よろずや余之助”早春の休日風景であります。


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