<<<<<<<< 左大臣助平(スケヒラ)の悩み「出物腫れ物」>>>>>>>>
世の中、時として急激な変化を迎えることがある。恐らく何かの間違いか、あるいは偶然であろうが、最近余之助の昼餉時はやたら込み合う。しかもかなりやかましい。
おしゃべり好きの連中が自宅茶の間代わりに立ち寄り、昼餉を食すのである。が、かかる連中が相席すると、これはやはり増幅効果が恐ろしく、やむなく助平(スケヒラ)、この誰彼と必ず一緒に飯を食うはめになる。この度その一人に何やら異変が生じたる様子である。
爺や: 助平様、最近松田のお方様のお姿をお見かけ致しませぬが、お加減が少々よろしくないとのお噂を小耳に挟みました故、爺は案じられてなりませぬ。
助平: ナニ、松田とな!松平ならば余の存知おるところではあるが、その様なオナゴがおったかの?
爺や: 助平様ボケるのは爺の後にして下さりませ。彼のお方、松平などと云う由緒あるお方ではありませぬ。助平様が度々お食事をご一緒なされます、そのう何と申しましょうか、誤って口から先にお生まれになったお方でございます。
助平: ウンウン、確かに誠に手強いオナゴがおったの。しかし何故か彼の仲間なるオナゴ達は揃って手強いの。うっかり致すと、飯と共に食われそうな気が致す。・・・ナンマンダブ、ナンマンダブ
爺や: その手強いお方様が、実は腫れ物に大層悩んでおられるとのお噂にございます。何とおかわいそうに。
助平: 腫れ物ごときに悩むとは、顔に似合わずキモの小さきオナゴよの。たかが腫れ物、余の鼻血と比べれば可愛いものではないか。
爺や: とんでもございません、ご本人は生きるか死ぬかの瀬戸際をさ迷っておられるとかのご様子で、つまりそのう…ナンデございます、腫れ物の出来た場所に問題があったようでございます。
助平: じれったいではないか、早う申せ。
爺や: (突然あたりを覗い声をひそめ)こともあろうに、何とオマタにオデキがお出来になったそうでございます。どうにもこうにも、ギクシャクしてまともに歩けず、只今御入院中と聞き及んでおりまする。
助平様にはご縁のないことでございますが、なんですか、ストレスとはみ出しパンツが原因とか?
助平: はみ出しパンツ!…何となく分らんでもないが、あの手にストレスとは相応しくないではないか。何かの間違いであろう。
爺や: 人は顔で判断されますと、落とし穴にはまります。見かけ通りは助平様くらいなものでございます。お方様、今頃ヒーヒー言いつつオマタにお薬をお塗りになっておれれることでございましょう。オイタワシヤ!
爺やの言葉最後まで聞かず、助平「薬塗るは余に任せよ」と叫びつつ飛び出して行ったはよいが、さて、病院名を聞いての上で出かけたか? 筆者も定かには確認しているところではないが、ナニ確認するつもりもさらさらない。
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